前々回のブログ本文冒頭にて、ほんのちょっとご紹介した
『リーダーが覚えるコーチングメソッド~7つの質問でチームが劇的に進化する~』
という本があります。
中身のメインはその副題の通り、「7つの質問」についてなので、またいずれかの機会に
ご紹介しようと思いますが、今日はその中に書かれていた「ドラマの三角形」についてご紹介します。
ここでの「ドラマ」というのは提唱した人の名前ではなくて、「役割を演じる」という意味です。これはスティーブン・カープマンという方が開発した、心理療法の1つである交流分析の実践的解釈です。
交流分析というのは、対人関係のやりとりのパターン分析をおこなうものです。
詳しく知りたい方はコチラをご参照ください。
とても簡略化して説明すると
全然よくない、役に立たない3つのうちのどれかの役割を演じていませんか?
というのが、カープマンの「ドラマの三角形」です。
その3つの役割とは
「犠牲者」
自分に無力感を抱いている。「あなたは私より優れている」
「迫害者」
他人を見下している。「私はあなたより優れている」
「救済者」
他人を助けなければと思っている。「私はあなたより知っている」
という感じです。
前置き長くなりましたが、今日はそのうちの1つ「犠牲者」について
詳しくお伝えします。「犠牲者」という役割はどんなタイプかというと
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【役割】
自分が誰よりも不幸で、いつも損な役回りばかりさせられているという
自意識を持った役割。
人生や社会、他人の受動的な犠牲者のように自分で自分を扱う
自己否定的な役割。
【中核的な信念】
「自分の人生は苦しみと悩みで覆われていて救いがない」
「自分はいつも人から嫌われていじめられたり仲間はずれにされたりする」
「どうせ自分なんて何をしたってダメな人間なんだ」
「かわいそうな私」
【原動力】
「悪いのは私じゃない」
「あの人たちのせいだ」
【この役割を演じる利益】
・解決する責任を持たなくてよい
・不平不満を言える
・「救済者」を引きつける
【この役割を演じる代償】
・何かを自分で変えられるという意識を持てない
・あらゆる変化が自分の関与外になる
・人に無能だと思われる
・泣き言ばかりいう人を好きな人はいない
【最終的なゴール】
「自分には何の能力も影響力もないのでどうしていいのか分からない」
「自分が無益な存在に思える」
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どうでしょう?
なにか思い当たる節がある方もいらっしゃるかも知れませんね。
この考えは、「この人はこう(例:犠牲者)だ!」ということではなく
・そういうラベルがつく
・ある状況でそう演じる
ということなので誰でもなり得る可能性があります。
しかも一連の流れの中で、この3つの役割をグルグルと切り変えるということをする可能性があります。
あなたの周りにはいませんか?「犠牲者」プレイが得意だなという方が…。
もしくはあなた自身が、無意識のうちにプレイしていませんか?
まずは気付く、ということが
『次のステージ』に進む『小さな一歩』になり得るかも知れません。
今日の記事が、ほんの少しでも役に立ったなら幸いです。