前回の「利己と利他」の続きです。その前に前回の復習を少し。
利己(りこ)
自分の利益だけを考え他人のことは顧みないこと。
利他(りた)
他人に利益となるように図ること。
自分のことよりも他人の幸福を願うこと。
【引用:デジタル大辞泉より】
「利己:for myself」
「利他:for yourself」
もちろんどちらが良い悪い、ということではないのですが
最近のビジネス的には、「利他」の精神やマインドが推奨されることが多いのでしょうか?
対人支援職の方も「利他」ベースという方が多い気がします。
まぁ僕自身もうすうす気づいていましたが、「利他」がベース。
けれど、コーチングの師匠である平本あきおさんに
「あきなりはFor myselfじゃなくて、For yourselfだよね」
と言われ、おおわく賛成なのですが、何だかしっくりこない気持ちがありました。
しかし、ある時その理由が2つあると分かったのです。
一つは僕の場合 「利他」というよりは
「周りからどう思われるか?」
という判断軸だったな、ということです。
自分の意見や感情を抑えるのが当たり前で、常に「他人の目」を気にして生きていました。
会社員時代は「周りからの評価」が全てだと思っていましたし、「周りからどう見られているか」を常に意識して仕事をしていました。もちろん、感情(特に怒と哀)はほとんど出さずに仕事していました。(それはそれで仕事自体や人間関係はうまくいきましたよ^^)
そして二つ目が
「利他」もまた、しょせん「僕の物差し」「僕の解釈」を通して何かを押しつけてないか?
ということです。
相手のためといいながら、そこには損得勘定が働いていたと思います。
例えば、会社員のころを思い出すと…
・いざとなったら僕の思うように動いてほしい
・あいつに任せたらうまくまとめると思われたい
・単純に周りからの人事評価で良い評価がほしい
等々…100%ピュアな「利他」ではなかったなと思うのです。
コーチングを学んでからは
「本当の意味で相手の立場に立つ」
ということを少しずつ理解し始めているので、押しつけ感は減っていると思いますが…。
そもそも今となっては
—
自分のことよりも
他人の幸福を願うこと。
—
これが違和感なんだ、と感じています。
そして改めて、アドラー心理学の『共同体感覚』というのはスゴイなと気づかされたわけです。
共同体のベースは「わたし」でもなく「あなた」でもなく
『わたしたち』なのです。
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利己(りこ)
自分の利益だけを考え他人のことは顧みないこと。
For myself
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OR
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利他(りた)
他人に利益となるように図ること。
自分のことよりも他人の幸福を願うこと。
For yourself
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という考え方から
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自分にも他人にも利益となるように図ること。
自分の幸福も他人の幸福も願うこと。
For ourselves
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利己も利他もなくならずに、ちょいちょい顔を出すでしょうから
利己も利他も受け入れつつ、できるだけ
『ourselves』
という考え方で、捉えたいなと思います。