ここのところ「叱らずに対応するには」というテーマについて
《初級》
・I(私)メッセージで伝える
・目的論の質問をする
《中級》
・怒り(二次感情)の元にある
一次感情をIメッセージで伝える
としてお伝えしてきました。
そして今日は完結作として…
I(私)メッセージで目的論的に関わっても
怒りの”元”にあるコチラの想いを丁寧に伝えても
叱りたいというシチュエーションに大きな変化が生まれない場合
そんな時にどうしましょうか?
ということについてお伝えしたいと思います。
昨日書いた例を活用させていただきますね。
・子どもが片付けない
・子どもが朝全然起きない
・子どもがご飯食べない
・部下が期日を守らない
・部下が資料を作成しない
・部下が言い訳ばかりする
上3つの子どもVer
片付けない
全然起きない
ご飯食べない…
こういう子供に対して…
今回は例題として「ご飯を食べない」にしましょう。
《初級》
・I(私)メッセージで伝える
・目的論の質問をする
↓
【例】
「ご飯できたよー。温かいうちに一緒に食べられたらママ嬉しいー!
どうしたら一緒に食べてくれる?」
《中級》
・怒り(二次感情)の元にある
一次感情をIメッセージで伝える
↓
【例】
「◎◎ちゃんが勉強頑張ってきたからママも頑張ってご飯作ったよ。
なのに、ゲームなかなかやめてくれないからママ本当に悲しい…」
例えばこんな感じで、初級的な関わり方も中級的な関わり方もしてみたのに
まだご飯をすぐ食べてくれない。どんどん冷めていっちゃう。
では、どうしようか?
《上級》
・なにもしない
です(笑)
「えっ?何もしないって?」って思いましたか?
そうです何もしないんです。
もうちょっと丁寧&正確に言うと
・そのままコトが進むとどうなるかということを1人の人間として体験してもらい
その結末から学んでもらう
といった感じでしょうか?
温かい白いご飯も味噌汁も、そのまま置いておいてください。
そのうちお腹がすいたら食べに来ますよ。
「ママー、ご飯つめいたいのイヤ!」
「あったかいのがいいー」
ともし仮に言われたとしたら?
「そうだよねーあったかいのがいいよねー」
以上(笑)。
子どもはどうするか?
そのまま食べるもよし
自分で温めるのもよし
じゃありませんか?
どうでしょう?これはヒドい対応なのでしょうか?冷徹な親なのでしょうか?
アドラー心理学的には
子供も親も自分の人生を生きる人
であると考えています。
裏返すと、親は子どもの人生を歩むことはできませんし
親は親で、その人らしい人生を歩む権利があるわけです。
伝わるようにも言った。しっかりと感情も伝えた。
だとしたらあとは、「そのまま何も対応しないとその結果どうなるのか」
ということを体験から学んでね、という考え方はいかがでしょう?
朝、起きない、忘れ物をする…それで困るのは親ではありません。子ども自身です。
—–
担任の先生から「親御さんからも注意してください」
って言われるじゃないですかーー!
なるほどそうですよね。
そして言われてどう受け取るか、言われてどう行動するか
それ自体は親御さんの課題です。
子どもとどう関わるかという話とは実は別の話なのです
—–
部下が朝の会議にいつも遅刻する。
初級編の方法でも伝えたし
中級編の方法でも伝えたら…
それ以降は
別に部下を待ってイライラもせず遅れてきたからって叱りもせず
定刻通りに始めて遅れてきた部下に対して
「おはよう」
とでも挨拶してそのまま話を進めてください。
何の話をしてたのか分からなくて困るのは部下自身。
微妙な空気を作り出したそれで気まずい思いをするのも部下自身。
遅刻ばっかりするヤツと周りの同僚や部下から信頼を失って困るのも…?
そうです。
その人自身なのです。
その人が子どもだろうが部下だろうが
体験から学ぶチャンスを奪わない、ってことです。
長い人生、むしろあなたのような相手をひとりの人間だと尊重して
主体的に生きることをサポートしてくれる人が身近にいる間に
色々と体験して色々と学んで色々と成長をしていけるほうが
その人にとってもきっと幸せだと思いますよ。
とはいえ!!!!!
・それじゃご飯食べ終わるまで食器を全然片づけられないけどそれはどうすればいいの?
とか
・朝の会議レベルだったらまだいいけど大きな事故に関わることや
誰かの命にかかわることは結末から学ぶなんてそんなことムリ
とか
そういうシチュエーションもありますよね。
ということで明日は、
そのままの成り行きの結末を体験させるのは、どうもよくない
という状況についてお伝えできればと思います。
ヒントは
・あらかじめ伝えておく
ってことですよ!