≪上級≫約束した結果を体験してもらう

Posted in ブログ

先日から

《初級》
 ・I(私)メッセージで伝える
 ・目的論の質問をする

《中級》
 ・怒り(二次感情)の元にある
  一次感情をIメッセージで伝える

《上級》
 ・そのままコトが進むと
  どうなるかということを
  1人の人間として体験してもらい
  その結末から学んでもらう

という流れで
”叱る”というシチュエーションについて書いてきました!

ここまでいかがでしたでしょうか?
そして今日は…

 ・それじゃご飯食べ終わるまで食器を全然片づけられないけど
  それはどうすればいいの?

とか

 ・朝の会議レベルだったらまだいいけど
  大きな事故に関わることや、誰かの命にかかわることは
  結末から学ぶなんてそんなことムリ

など

そのまま、成り行きの結末を体験させるのは、どうもよくない
という状況についてお伝えできればと思います。

超簡単なので、結論からお伝えしますね。
それは…

 事前に約束してその通りにする

ことです。
ご飯の例でいえば、事前に

 「お家に帰ってきたら〇〇時頃に夕飯ができるよ
  ってママは伝えることにするね。
  その時間まではゲームしててもいいよ。

  そして、ご飯ができたら「ご飯できたよー!」って
  伝えるからゲームをやめてテーブルまで来てね。

  そのあとママが食べ終わるまでは
  テーブルの上にご飯出しておくけど

  ママが食べ終わるまでにテーブルに来なかったら
  ご飯片付けることにするね」
 

一緒にご飯を食べられるように、2人でアイデアを出し合って約束してください。
この時ぜひママの立場からも何かしら約束をしましょう。
相手にだけ改善要求を出すのはフェアじゃないですもんね。

上記の例を箇条書きにすると

 ・ママの約束
   →事前に何時にご飯ができるか伝える

 ・子どもの約束
   →「ご飯できたよー」と言われたらテーブルにつく

お互い守れる約束にしましょうね(笑)。
そして

 ・ママが食べ終わるまでにテーブルに来なかったらご飯は片づける

こう約束したら必ず実行してください。
これを「論理的結末から学ぶ」と言います。

事前に約束をして、それを守る。
それにより、相手が学ぶことを見守る。
そんなイメージです。

—–

ちなみに昨日書いた
「ご飯冷めちゃった」とか
「周りからの信頼を無くす」とかは

「自然の結末」と言います

—–

 とはいっても、育ちざかりの子どもにご飯食べさせないのは
 かわいそうだし

 このあとも「お腹すいた―」ってうるさくなるから
 って思いますよね?

ではここで「甘やかして」ご飯を食べさせたら…
その体験から子どもは何を学ぶでしょう?

「約束を破ってもごめんなさいって言えばどうやら許してもらえる」

「食べたい食べたいーってうるさく何回も何回も駄々をこねたら大丈夫」

本当にそんな人間になって欲しいのでしょうか?
あなたが居ない場面でも、そういう立ち居振る舞いをしてほしいのでしょうか?

大丈夫ですよ、1日ぐらい食べなくたって笑
それよりも意義ある学びを。

ココで気をつけないといけないのは…

 〇毅然とした態度を取る
 ×ネチネチと言い続けない
 ×関連のない罰を与えない

ということです。

1人の人間としてヨコの関係で敬意をもって関わる。

「気づかせよう」じゃなくて
「気づく邪魔をしない」ということ。

「ご飯食べたいよーーー」と言ってきたら
「そうだよねご飯食べたいよね」で、終わり!!

そのあと

「だから約束したでしょ…ったく何度言っても分からないんだから」

「(妹に語りかけるように)お兄ちゃんみたいになりたくなかったら
 ちゃんと言うこと守るんだよ」

「ホントはママだってみんなで食べたいのにお兄ちゃんが悪いんだから…」

ネチネチネチネチ言わない!!!

「じゃあ宿題1ページやったら食べてもいいよ」

「あのおもちゃを片付けたら食べてもいいよ」

これもダメ!!
夕飯についての約束とこれらの行動は関連ありません!
こうしてしまうと「罰」を与えられたという学習をします。

関係のない罰は約束を守るという納得性を下げます。
罰を避けたいから致し方なく約束を守る、ということに加えて
相手は罰を与えてくる存在だという意識を持ちます。

では、どうするか?
もう1つの方の例で簡潔に。

 ・大きな事故に関わることや誰かの命にかかわること

まず、事前のフェーズで論理的結末のストッパーを入れておきましょう。
そのフェーズでミスをしたり、約束を破ったら、その仕事に関連のある
結末を体験してもらいます。

 ×休日出勤させる
 ×1週間掃除当番
 ×差し入れを買ってこさせる

ではなくて

 〇その件についてレポートを書く
 〇再発防止策を検討し承認を得る
 〇その担当を外れてもらう
 〇部署異動をしてもらう
 〇人事考課に反映させる

という感じ。
どれだけでも書けるけど今日はこのあたりで。

一旦このテーマについてはフィニッシュしますね。

最後に…
アドラー心理学のベースは勇気づけ。
そしてその大前提は

相手をひとりの人としてヨコの関係で接するし
目の前の人は改善し実行できる力が備わっている存在だ
と信じること。

さらには
体験から学ぶこと
  &
学ぶことを邪魔しないこと

上級編だけでなく、初級編も中級編もこの考え方がベースです。
同じことをやっても、あなたの中に

「相手をコントロールしてやろう」

「相手に気づかせてやろう」

「相手は何度言ってもできないヤツだ」

そういう気持ちが少しでも含まれていたら…
相手に伝わっちゃいますからね。

あと、みんな優しすぎ。
そして関わり過ぎ(笑)。

大丈夫。

しっかりと自分の人生を切り拓く力を持った存在だから。
そこを信じて関わってみて下さいね。