相手とのコミュニケーションの5段階

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今日は『相手とのコミュニケーションの5段階』
について書いてみようと思います。

その前に
「成長の4段階」とか、「習熟の4段階」とか「習得の5段階」とか様々な言い方があるこの話をあなたはきいたことがありますか?

 

▼▼▼▼▼▼

知らない

知っている

できる

やっている

(教えられる)

▲▲▲▲▲▲

 

ちょっとだけ簡単に説明しますね。

 

知らない <無意識無能>
(意識:× 能力:×)

 

知っている <有意識無能>
(意識:○ 能力:×)

 

できる <有意識有能>
(意識:○ 能力:○)

 

やっている <無意識有能>
(意識:× 能力:○)

 

教えられる <理解有能>
(意識:◎ 能力:○)

 

ということです。もう少し分かりやすく自転車に例えると…

 

【知らない】

乗り方も分からないし、実際に乗れもしない。

 

【知っている】
バランスをとると倒れない、ペダルを回すと進む、ハンドルを切ると曲がる、ブレーキを握ると止まる。こうしたらこう、というのは分かっているけれど実際には乗れない。

 

【できる】
こうしたら、こうというのも分かっていて、それを意識してバランスを取り、ペダルを回しハンドルを切り、ブレーキを握ることができる。

 

【やっている】
とくにバランスがどうとか、ペダルやハンドルがどうとか考えずに乗れている。

 

【教えられる】

どうやったら自転車に乗れるか、その人に合わせて伝えられる。

 

 

 

 

「自転車に乗る」という例えで説明してみましたが、なんとなく分かりましたか?
このプロセスをコミュニケーションの階段状にしたのが今回お伝えする
『コミュニケーションの5段階』です。

 

▼▼▼▼▼▼

分からない

分かっている

言える

伝えられる

伝え合っている

▲▲▲▲▲▲

 

「こんなこと?」と思われる方も多いかも知れませんが、少し解説をさせていただきますね。

 

 

1段階 分からない(自分:× 相手:×)

自分が何を言いたいのか分かっていない状態。 なんかモヤモヤしていて、この段階に長く滞在するという状況やタイプの人もいれば、何かに対してすぐに第3段階の「言える」に行ける状況やタイプの人もいる。

 

2段階 分かっている(自分:△ 相手:×)

言葉にはしていないけれど、何を言いたいのかは分かっている状態。相手に対してどう言うかは別として「このことを伝えたい」、「この意見を言いたい」ということが頭で分かっている段階。相手との関係性によってはこの状態にたどり着くものの、言えずに飲み込んしまう可能性も。

 

3段階 言える(自分: 相手:

言いたいこと・伝えたいことを言えている状態。「言わなくても分かるよね」 という思い込みで、あえて言わないという選択をする場合もある。自分の想いや考えを言えはするが、それがどう伝わるかまではちゃんと考慮はされていない。

 

4段階 伝えられる(自分: 相手:

自分の思ったこと・考えたことを相手に伝わる方法で伝えられる状態。
相手にどう伝わるか、相手の立場に立って考えられる。その上で自分が言いたいことを我慢せずに伝えることが出来る。

 

5段階 伝え合ってる(自分: 相手:

自分の言いたいことを伝わるように言うだけでなく、そのことに対して相手にも何かしらのコミュニケーションを促している状態。賛否や質問、相手が言いたいことも言えて、会話のキャッチボールが行われているイメージ。

 

 

前半2つは、分からない・分かっているを中心とした『自分とのコミュニケーション』で
後半3つは言える・伝えられる・伝え合ってる、で形成される『相手とのコミュニケーション』
でもあります。ここでいくつか事例を交えて詳しく解説していきますね。

 

 

例1:友達同士のAさんとBさん

 

AさんはなんだかBさんにモヤモヤするという状況。

 

◆分からない◆
なんだかモヤモヤするけど、何が一体そうさせるのか、Bさんの何が嫌なのかAさんは分からない状態。

 

◆分かっている◆
「Bさんが約束の時間をいつも数分遅れてくるし、遅れるっていう連絡もない」ことがモヤモヤの根源だとAさん自身が分かる。何だか大事にみられてなくて軽く思われている感じがする。

 

◆言える◆

言わずに我慢するのではなく、AさんがBさんに「ちゃんと約束の時間守ってよ!」と言うことができる。

 

◆伝えられる◆

ストレートに言うと、Bさんに逆ギレされるので 「約束の時間に遅れられると私のことを軽く見てるのかなって不安になるから、できれば時間通り来てほしいし遅れるならLINEしてほしい」と伝えられる。

 

◆伝え合っている◆
Aさんの申し出に対して「あー、そんなことないよー。前、Aさんが『私との約束は時間通りじゃなくて大丈夫だからね。急いで来て転んでがでもされたらイヤだもん』って言ってくれたから…」とやり取りができて、これからどうするかのコミュニケーションが取れる。

 

 

 

 

 

例2:上司Aと部下B

 

Bの資料が分かりにくいからちゃんと作ってほしいという状況。

 

◆分からない◆
分かりやすい資料を作ってほしいということなので、すぐに次の段階へ。

 

◆分かっている◆
同じくすぐ次の段階へ。

 

◆言える◆
AがBに「もっとわかりやすい資料を作ってほしい」という。ただ、Bにとっては具体的に何をどう直したり加えたりしたらいいか分からず、とりあえず返事はするが、直せず。

 

◆伝えられる◆

AからBに、Bの分かるように伝えることが大切。「まず、うちのサービス云々は最初から書かず、それを超えて目指す未来や実現したい環境を最初の2ページぐらいで書いてみよう。そして、そのあとにお客さんの悩みをカテゴリに分けて、それぞれがうちのどのサービスを使えば解決できるかという表と、他社X・Yとの比較表を入れておいて。例えばこんな感じで。」というように伝えられている。

 

◆伝え合っている◆
Aが伝えたうえで「何か分からないこととか資料を作り直すことについて聞いておきたいことはある?」と質問すると、Bからは「まずは言っていただいた2点について、いつまでにお見せできるといいでしょうか」というやり取りができている。

 

 

 

 

いかがでしょうか?
なんとなくコミュニケーションの段階についてご理解いただけましたでしょうか?

 

怒りや悲しみを伝える場合はその感情だけでなくて、その感情の奥にある思いとかに気づくというプロセスが必要なのではないかと考えています。

 

一方で指示命令系だと、第1段階・第2段階はすっとスルーしてしまいがちです。
どちらにしても「そもそも言える関係性か?」という基盤が大切ですし、言えたとしても相手に「伝わるかどうか?」という第3段階・第4段階を視野に入れたコミュニケーションが重要になってきます。そして一方的ではなく、伝えたことに対して相手と何かしらのやり取りができることでコミュニケーションとして成立するという第5段階まで到達できると望ましいですね。

 

まだこの理論は生まれたばかりなので、表現の変更や段階の増減、説明の改変があるかもしれませんが、その際は追ってバージョンアップしたものをお伝えしていきますね。
日頃のコミュニケーションの参考にしていただければ幸いです。