アドラー心理学の「幸福の3条件」は人を幸せにするのか?

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今日は

 アドラーが提唱する『幸福の3条件』が
 人を不幸にするのでは?

というちょっと禁断(?)の領域に
踏み込んでみたいと思います。

 

アドラー心理学の幸福の3条件

 1.自分が好き
 2.人は信頼できる
 3.私は貢献できる

見聞きしたことが
ある人もない人もいると思いますが、
「アドラー 幸福の3条件」でググると
たくさん出てきますので
良かったらぜひ調べてみてくださいね。
 

単刀直入に言うと、個人的には

 コレを鵜呑みにして
 コレが幸せにつながると
 受け入れてしまうことが
 ちょっとした不幸への入り口

と思っています。

少なくとも僕はこの3条件を
受け入れたことで最初苦しみました。

 
1つ目の落とし穴は

 1.自分が好き
 2.人は信頼できる
 3.私は貢献できる

そもそも、
この順番に違和感があるのです。

なぜなら、
アドラーはこう言っているからです。

=====
 幸せになる
 唯一の方法は
 他者への貢献
=====

と。

それに
感覚的にも「まず自分」というのが
僕はしっくりこないんです。

『シャンパンタワーの法則』という表現でも言われていて、
まず自分から満たすことで周りを満たすことができる。

これは
 半分合っていて
 半分違っている
と思うのです。

 

自分を満たすことで
周りを満たすこと”も”できるし

周りを満たすことで
自分が満たされること”も”できる

と僕は思っています。

これを取り違えると、
 「他人よりも」自分を満たすことが一番
 「周りは気にせず」自分が好きなことだけやる
みたいな危険性をはらんでいると思います。

幸福の3条件として
1番目に
 「自分が好き」
があるのもこの危険性がある、と。

 

そして
順番もそうですが、不幸の根本部分は

 1.自分が好き(自己受容)
 2.人は信頼できる(他者信頼)
 3.私は貢献できる(貢献感)

の、

 自分が好き = 自己受容

ここの解釈を間違うことで
起きている気がします。

 
自己受容とは

 「自分が好きと思えること」

ではなくて

 「自分のイイ所もイヤな所も、
  自分のココは好きだなぁというところも
  自分のココは嫌いだなぁというところも
  全部ひっくるめて受け入れること」

イコール「自分を受容すること」なんですよね。

 
ですので、
幸福の3条件を鵜呑みにした上に
自己受容の解釈を間違えてしまうと
以下のような葛藤が起こりやすくなります。

 
*****
幸福になるにはこの3つの条件が必要だそうです。

 1.自分が好き
 2.人は信頼できる
 3.私は貢献できる

   ↓

なるほど、
ではまず「1.自分が好き」にならないと!

   ↓

とはいえ、なかなかなれない

   ↓

こんな自分じゃダメ!
まずは「自分が好き」にならなきゃ!

   ↓

あぁ。まだなれない・・・

以下、続く。
*****

 
これ、
不幸じゃありませんか?(苦笑)

 
まさに上記ループに陥ってたのが、
2011年にコーチングを学び始めた際に
アドラー心理学に触れた頃の僕でした。

この3条件のせい(笑)で、
2014年くらいまで僕は
  「自分はだめだなぁ」
  「コーチに向いてないな」
  「いつまでも幸せになれないんじゃないかなぁ」
と思っていたんです。

そのループから脱出できたのは

 1.自己受容
 2.他者信頼
 3.貢献感

の3つだと改めて定義しなおし、
さらに3条件の満たしていく順番を

 1.貢献感
   ↓
 2.他者信頼
   ↓
 3.自己受容

の順にしようと
改めて捉えなおしたことで、
自分の性質にフィットさせることが
できたからでした。

 
人の教えを
そのまま受け入れるのも良いのですが、

自分事としてとらえ
自分の言葉で説明できないと、
結果自分のものにはならないと感じます。

 
ですからふわっと、
 1.自分が好き
 2.人は信頼できる
 3.私は貢献できる

が幸福の3条件です、
と言っている人を見るといろんな気持ちが湧きます。

ーーーーー
 「それ、受け売りだよね」とか
 「心底そう思えるならそれはそれで幸せだね」とか
 「ホント、分かってる?」とか
 「周りにそれを強要すると苦しむ人がいるよ」等々
ーーーーー

 
何度も言いますが

アドラー心理学の中心哲学は

 「認知論」
   1人ひとり違う、自分の信念や捉え方を持っている

 「主体論」
   自分の人生の主役でいる、自分で決めることができる

なので、
何をどう採用してもOKです。

 
お好きな
考え方や思想や行動指針を
ぜひ見つけて下さい。

僕は
「幸福の3条件」というフレーズは使わないし、

ましてや
「自分が好き」ということを
条件にも入れないです。
だからと言って、
そのフレーズを使う人に対して
「それは違う」とは言いません。

 
みんな違って、みんな良いわけですから。
(ただ質問はしてしまうかも笑)

こうやって
ああだこうだと議論したり、
探求したり、検証したりすることを
アドラーさんは良しとしていたみたいなので、

ぜひ皆さんも学んだことを鵜吞みにせず、
自分のものにするために編集してみてくださいね。